長野県岡谷市は、明治時代の横浜開港あたりから天竜川沿いに製糸業が発達した。生糸の積み出し用に専用線路も施設され街は賑わった。蚕からとれる細い糸が「国の命をつなぐなり」と詠われていたほど。昭和に入り、徐々に製糸業は衰退してゆき、余剰となった労働力は機械工業へと流れる。時計、カメラ、オルゴールなどの精密機械工業の工場は次第に増え始め、「東洋のスイス」と比喩されるほど。京セラ岡谷工場を筆頭に、機械工業集積の街として現在に至ります。かつてコンタックスが生産されていた京セラ岡谷工場。現在、生産されていないのは残念ですが、ツァイスゆかりの地としては基幹的な要素になると思います。(写真は市内を流れる横河川と河川沿いを彩る紅葉)