DRESDEN 〜ドレスデン〜

 ザクセン王国の首都であったドレスデンはドイツの西端に位置し、旧東ドイツの中ではとりわけ華やかな都市である。旧市街と新市街を分けるように流れるエルベ川はかつて交通や運輸に大きく貢献したことはもちろん、街の景観にも一役買っている。アウグスト王全盛の17〜18世紀には、音楽や絵画などの芸術や文化の都として栄華を誇った。エルベ川沿いには荘厳なバロック様式の築100年を越す建造物が並び、当時の繁栄をしのばせている。
 ドレスデンは現在は観光地として有名であるが、ツァイスイコン社ゆかりの地でもある。カールツァイス財団は有力なカメラメーカーであったイカ、エルネマン、ゲルツ、コンテッサ・ネッテルの4社を統合してツァイスイコン社を1926年に発足。エルネマン社の工場施設を引き継ぐことから、ドレスデンに本拠地を構える。第二次世界大戦中、1945年2月13日から14日にかけて、ドレスデンは大規模な空襲を受け壊滅的な打撃を受ける。宮殿や城は破壊されてしまったが、往時の写真や古い設計図を頼りに、忠実にその姿を再現している。ツァイスイコン社も例外ではなく、工場施設に大きなダメージを受ける。シンボルであるエルネマンタワーは奇跡的に爆撃を回避、
今でも健在である。戦後ツァイスイコン社は東ドイツ社会主義のもと国営企業VEB(ファー エー ベー:人民公社)としての稼動を余儀なくされた。

 

 

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