Carl Zeiss T* ZM-Mount SYSTEM

    

新規に開発されたツァイス・イコンBODYとカール・ツァイスレンズ群

マウントの規格は T* ZM-Mountとし、Leica M-Mount と互換性を持たせている

  

     

今回のエキシビジョンでのツァイスの合い言葉

back with passion

"情熱を取り戻せ"

     

   

     

   

     

   

back with passion

 デジタルな時代に情熱? そう、情熱なのである。今回のZMマウントの開発にあたって、カール・ツァイスは「情熱を取り戻せ!」というキーワードを持ってそれに望んでいる。Back with passionの意味を直訳すれば”情熱と共に後退する”になってしまう。何か変な訳のようだが、これが最も分かり易い。そう、大きく意図的に後退したのである。現在のデジタル世代の前がオートフォーカス全盛のハイテクエレクトロニクス世代。その前はRTSから始まるカメラ作動・駆動の電子化世代。その前まで遡るとツァイス・イコンカメラ事業創立以来のいわゆる”機械式”なのである。今回発表されたツァイス・イコンボディは巻き上げは手巻き、ピントも手動というブラコンやUaなどと同じ機械式カメラなのだ。1972年にツァイス・イコンが終焉を迎えて以来、約30年ぶりの復活である。2004年のフォトキナでツァイスは何故今さら機械式を発表したのか? back with passion のキーワードとともに紐解いてみよう。

 

 

なぜ今さら銀塩なのか?

 デジタルではなく銀塩フィルム?・・・我々はこれを不思議に思うが、彼らは答えは簡単だと言う。私たちの情熱が最も高まった時、最高の作品を生み出す。私たちはカメラの内部から外部まで全て知り尽くしている。カラーフィルムの品質は今日において粒状性、発色など全てにおいて成熟しており、既に完成の域と言えよう。しかしデジタルセンサーはまだまだ進化する過程であり、まだまだ私たちの情熱を受け止めきれる域ではない。

 

    

なぜ今さら機械式なのか?

 既に電子化が進んだ昨今に機械式?・・・我々はこれを不思議に思うが、彼らは答えは簡単だと言う。機械式カメラはカメラのルーツであり、私たちの情熱から生まれたのだ。やはりシンプルが一番だという結論に至った。シンプルな機械式カメラは電子メカやセンサーが無いのでむしろカメラとしてのウィークポイントが少ない。デジタルカメラ以上に情熱を満たしてくれるのは私たち開発者だけでなく、ユーザーも同じであろう。何故機械式なのか・・・全ては情熱を取り戻す為である。私たちはこのカメラを”Zeiss Ikon”と呼ぼう。ドイツの写真産業の全盛を取り戻したいという願いでもある。そしてまもなく2005年早々には現実のものとなるだろう。あなたも写真への情熱を取り戻して下さい・・・ツァイスからのメッセージです。

 

  

なぜライカMマウント規格なのか?

 一応ツァイスMマウント(通称ZMマウント)なのだが、まあ早い話がライカのMマウントなのである。既存のライカMマウントはレンジファインダーシステムとしての完成度が非常に高く、新しく生み出すレンズの設計上、何も恐れることが無いからです。ライカMマウントは誕生から半世紀以上を数え、現在でも作られている伝統のマウント規格です。私たちはこのマウント規格にレンズを委ねることにしました。”Zeiss Ikon”カメラボディのバックフォーカスはライカM規格と同じにしたことで、ライカMマウント対応のどのレンズも受け入れることができます。Zeissの7本の新しい単焦点レンズは、一定で正確な色を伝えることに目を向けて、高い水準に設計されました。レンジファインダーシステムの開発は設計者にとって、一眼レフ以上に情熱を掻き立てるものである。ミラーの駆動は無いし、ドライブメカニズムを必要としない。また、レンズ最後尾とフィルムとが近いので広角レンズの設計には好都合なのである。

   

     

これが"Zeiss Ikon"ボディ。シンプルかつスタイリッシュ。ボディ正面に ZEISS のロゴが入っている

 

Film format : 24x36mm (35mmFilm)

Lenses : Carl Zeiss T* ZM-mount with focal length

Viewfinder : 0.74x magnification

Finder frames : 28/85mm,35mm,50mm

Exposure meterring : TTL center-weighted

Exposure modes : AE with aperture priority / Manual

Shutter speed : 1/2000 - 1 ( AE : 1/2000 - 8 )

Flash synch : 1/125s and longer

Batterries : LR44 or SR44 x 2pcs

Dimensions : 138 x 78 x 32mm

Weight : 500g

 

 

 

 

Cerl Zeiss Distagon T* 15mm F2.8 ZM

Aperture renge : 2.8 - 22

Number of lenses / groups : 11 / 9

Focusing range : 0.3m - inf.

Filter : 72mm

Weight : 370g

Lens made in Germany

 

 超広角ながらF2.8という明るさを誇る。F2.8にするためには中玉の小さなビオゴンよりディスタゴンのほうが設計に有利である。一眼レフカメラ用以外でのディスタゴンの設計はこれが初めてである。今回、同時にツァイスから発表されたZeissIkonボディにおいてTTL測光に対応。非球面レンズ、バリウムフリントガラス、フローティング機構など、非常に贅沢なレンズデザインだ。F2.8というF値は既存のディスタゴン15mmを凌ぎ、新しい映像表現を可能にしている。

  

 

 

Cerl Zeiss Biogon T* 21mm F2.8 ZM

Aperture renge : 2.8 - 22

Number of lenses / groups : 9 / 7

Focusing range : 0.5m - inf.

Filter : 46mm

Weight : 300g

Lens made in Japan

 

 京セラコンタックスGシリーズ用のビオゴン21mm同様のF2.8で登場。7群9枚の構成、最短撮影距離も同スペック。新規設計なのかが気になるところ。詳しいレンズデザインの詳細は不明。

  

 

 

 

Cerl Zeiss Biogon T* 25mm F2.8 ZM

Aperture renge : 2.8 - 22

Number of lenses / groups : 9 / 7

Focusing range : 0.5m - inf.

Filter : 46mm

Weight : 260g

Lens made in Japan

 

 ビオゴンで25mmという焦点距離は初登場になる。カール・ツァイスビオゴンの基本コンセプトの前後対称なレンズデザインコンセプトを継承。歪曲を極限まで押さえたその写りが自慢です。

 

  

 

Cerl Zeiss Biogon T* 28mm F2.8 ZM

  Aperture renge : 2.8 - 22

Number of lenses / groups : 8 / 6

Focusing range : 0.5m - inf.

Filter : 46mm

Weight : 220g

Lens made in Japan

 

 使いやすい広角ということで登場したこのレンズ。ZeissIkonボディ内蔵のビューファインダーを使えるし、レンズ全長も短く、220gと軽いので旅行などに最適である。光学系はGシリーズのビオゴン28mmより1枚多い6群8枚構成。今回、ヤシカマウントのプラナー50mmレンズの設計を一部取り入れ、素晴らしい発色に成功している。

 

   

   

Cerl Zeiss Biogon T* 35mm F2 ZM

 Aperture renge : 2 - 22

Number of lenses / groups : 9 / 6

Focusing range : 0.7m - inf.

Filter : 43mm

Weight : 240g

Lens made in Japan

   

 広角の標準レンズと言われる35mm。Gシリーズでの35mmはプラナーであったが、今回はビオゴンタイプにて設計。9枚のレンズを贅沢に使い、F2という明るさをキープした。ディストーションはほぼゼロの域まで見事に補正。街角のスナップからフォトジャーナリズムまで、インドア、アウトドア問わず使いやすいレンズに仕上げました。

 

   

   

 

Cerl Zeiss Planar T* 50mm F2 ZM

 Aperture renge : 2 - 22

Number of lenses / groups : 6 / 4

Focusing range : 0.7m - inf.

Filter : 43mm

Weight : 210g

Lens made in Japan

 

 カールツァイスのプラナーの基本設計を貫き、ツァイスの威信をかけて設計された標準レンズ。4群6枚のエレメントを見事に前後対称に配置している。またフレアやゴーストを有効に排除できるよう配慮されている。このレンズは全ての写真分野に対応できると確信している。

   

   

  

Cerl Zeiss Sonnar T* 85mm F2 ZM

 Aperture renge : 2 - 16

Number of lenses / groups : 6 / 6

Focusing range : 1.0m - inf.

Filter : 55mm

Weight : 450g

Lens made in Germany

  

 ライカMマウント用の中望遠レンズで初めてフローティング機構を採用。F2という明るさは安定したシャッタースピードと美しいボケ味を約束します。最短から無限まで非常にシャープな結像性を誇り、風景、建物、人物写真など、あらゆる分野に対応できます。

      

   

  

15mm, 21mmには専用ファインダー、25,28mmには共通ファイインダーが用意されている

   

   

     

フードは樹脂製で3種類用意された

1.50mm/35mm兼用フード

2.25mm/28mm兼用フード

3.25mm/21mm兼用フード

 

 

フォトキナ会場の解説員の方に丁寧にご説明頂きましたが、

私の英語が拙い為、うまく翻訳できていない箇所があるかもしれません。

以上、ZMシステムのフォトキナ2004レポートでした

   

  

  

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